真冬のエンジン始動(750RS)

うちの750RSは、キャブレターがCR29(まめしば謹製Mノズル入り)。真夏から真冬まで、セッティングを変えなくても調子良く走りますが、真冬のエンジン始動にはコツが(と言うより体力と根気が)必要。


ガソリン供給は自然落下で、エンジンが回転して初めて発生する負圧で外気を吸い、ベルヌーイの法則に従ってガソリンが吸い上げられベンチュリー効果で流速が上がって気化し混合気となる。吸気バルブから混合気が吸い込まれ、圧縮され、これにスパークプラグの火花が種火になって点火、爆発してピストンを押し下げ、排気、続いて次のサイクルへ。

ガソリンの気化温度は低いのですが、真冬の外気温1桁だと、空気量に対して気化ガソリンが足りないため、全然初爆が来ず、エンジンが掛からないことがしばしば。そのため、普通はチョーク機構を使って、あえて空気量を減らして混合気を濃くして、エンジン始動を容易にします。が、CRキャブの場合はこれが曲者。

CRキャブにもチョーク機構となるスタータープランジャーが付いていますが、プランジャーはキャブボディーにスプリングで押し付けられており、プランジャー底面のラバーがシールすることで普段は余分なガソリンが流れないようにしています。このラバーは経年劣化で硬化してシール機能が弱くなる。すると、ガソリンが僅かに流れるようになり、常に濃い目の燃調となって調子を崩すってのが、長年使ってるとありがちなパターン。本当はプランジャー機構を殺してしまった方がセッティングし易いし、安定しているのですが、何かの時にはこの助けが必要な場合も(どうしてもエンジンが掛からない場合)。

経験上、プランジャーを引かなければ相当期間調子を崩すことは無いので、真冬でもスターター機構無しでのエンジン始動にしています。そのため、混合気をできる限りシリンダー内に貯めたいので、燃調が濃くなる少しスロットルを開いたポジションでイグニッションをONにする前に何度かプレキックをして、その後にイグニッションONでキックまたはスターターモーターを動かし始動を試みます。ダメなら、これを繰り返す。酷い時はキックだけで汗ばむほど(笑)。

真冬はあまり乗ってやらないので、バッテリーも弱り気味。そのような中スターターモーターを回せば、火花は弱くなりやっぱりエンジンの掛かりが悪くなるので、キックで掛けることが多いですが、結構大変。

で、試しにパーツクリーナーをエアクリーナーに少しだけ噴霧してキックしてみました。


笑える程、あっさり、キック1発でエンジン掛かっちゃいました。暫く燃調が濃くなるスロットルを少しだけ開けた位置で我慢し、ブリッピング。3週間ぶりなので、少しボコつきましたが、数分もすれば綺麗に回りました。

パーツクリーナー恐るべし。調べてみると、パーツクリーナーの主成分は可燃性のアルコール類。気化温度自体はガソリンの方が低いので、ガソリンをエアークリーナーに垂らしても良いかもしれませんが、この方がガソリンよりは楽だし安全では? パーツクリーナーは脱脂作用が強力なので、多量は厳禁(シリンダー内を痛める)。まぁ、パーツクリーナーを使うにしても、何回かはプレキックするので、多少オイルが回ってるハズで大丈夫でしょう。

これなら楽だし、スターターのワンウェイクラッチを痛める頻度も減るし、良いのでは??? 

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