Obestatin

先日のScienceにObestatinの論文が出ていました。でも、Obestatinって何だ?

Ghrelinと言えば日本人研究者が発見した食欲増進ペプチド。このObestatinはGhrelinと同じ遺伝子からできるまったく逆の作用をもった食欲抑制ペプチドらしい。しかし、同一の遺伝子からまったく正反対の作用を持つペプチドが作られるなんて面白い。ペプチドが作られるには、遺伝子からmRNAが転写されて、それがタンパクに翻訳されて、さらにトリミングや修飾を受けて出来上がる訳で、発現調節機構考えると....

そもそも生体は幾つものホメオスタシスが維持されていて、促進系と抑制系のバランスの上に成り立っています。このバランスが崩れるといろいろな疾病を引き起こす。まったく異なった遺伝子でこのバランスを司っていたり、同じ遺伝子から同様の作用を有する生理活性物質ができたりする例は幾つも知っているのですが、まったく逆の作用をするとなると、咄嗟に思いつかない。

これだけゲノムやポストゲノム研究が進んでも、まだまだ解らないことばかり。機序が解ってもそれは治療の一つの手掛かりでしか無く、実用研究が進まないと薬は産まれません。大変だ〜。まぁ、だからこそ面白いのですが...

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