2009 vacation 10日目
いよいよブニーノ一家に別れを告げてミラノへ移動。先を急ぐ必要も無いので、Eはやり残したお買い物を。コレーニョの昔の修道院・工場跡地には、運良く?アウトレットが出来ており、トリノ到着初日からEが発見、目につけておいたのです。袋一杯の買い物に、一同ニッコリ。
「お昼、一緒に食べてからミラノに行きなさい」とティジアナが優しく言ってくれたので、甘えることに。ベランダのプランターに植えてあるバジルを摘んで、さっとパスタを作ってくれました。自宅で仕事を営むブニーノ家では、家族揃ってのランチが普通の光景らしい。ミケーレに聞いてみると、8時半から12時半まで仕事して、2時間昼休み。2時半から6時半までが午後の部。8時間労働で、もちろんバカンスは4週間ぐらいだそうだ。生産性の良さは日本人が見習うべき所。やはり、「いかに人生を楽しむか」に重きを置く生活スタイルは良い物だ。
午後から大学があるヴァレリオと別れの挨拶をして見送ると、結構辛くなってきた。「ゆっくりしていきなさい」と有り難い言葉なのですが、このまま居ればどんどん別れが辛くなる。再会を約束して、ハグして出発の準備を。通りからクルマが見えなくなるまで、ティジアナとクラウディオが手を振ってくれていた。何だか脱力感に支配されてきたが、まだ旅は続きます。気を取り直してミラノへとクルマを進めました。
Garminに従っていけばホテルへも間違い無く行けるだろう、ならばダメもとで寄り道をしてみることにしました。それはザガート社。我が家のフルヴィアがザガートデザインのボディーであることから、ミラノにあるカロッツェリアに寄って見たいと思っていたのです。そこで、数ヶ月前からザガートにメールを出して訪問の許可を求めていたのですが、バケーションシーズンと重なったためか、重要顧客でもない一ユーザーからの依頼だったからか、音沙汰無し。ヴァレリオにこの話をしたときも、「ザガートのような会社が一般個人の訪問を受けつるのは難しいよ」と。そう言えば2004年にピニンファリーナに寄ったときも守衛さんに追い返されたし、後に担当者から、「一般個人の訪問は受け付けていません」と詫び状が送られてきたことがあったなぁ。
まぁ、訪問がダメなら、ロゴマークの前で記念撮影でもと軽い気持ちで向かってみました。予めネットで調べた場所は、実は裏口(通用口)であったため、Garminに従ったのに迷ってしまいましたが、何とか「ZAGATO」の看板を発見。通用口から進入に成功したのでした。
受付が見つけられず、裏庭をデジカメを持ってウロウロしていると、オフィスの窓からたまたま外を見たザガートの社員と目が合ってしまった。「ヤバイ」。こうなったら得意の愛想笑い。満面の笑みで手を振ってみる。すると、その社員が建物の裏口から出てきてくれました。
「これは、本当にヤバイかも」
兎に角、不審者でないことを説明しなければと、拙いイタリア語で、名前を名乗って、日本から観光で来ていてと説明をし始めると、妙にニコニコして聞いていてくれるのです。そうだ、ザガートは国際企業だから英語も通じるかもと聞けば、No Problemと。さらに、説明をすると、「ちょっと待っていて。上司に聞いてくるから」と戻っていってしまいました。
「取りあえず、警察に通報されることはなさそうだ」
暫くすると戻ってきた彼(名前を忘れてしまった)曰く、「今日は仕事が忙しいから余り時間が取れないけど、30分ぐらいなら案内するから、中へ入りましょう」と。Eと顔を見合わせて、「ホントに?」を連発してしまった。
完全に裏口から入ったので、オフィスの廊下を通って通されたのはバスケットコート2面分ぐらいの広大な空間(かつて正にこの場所にフルヴィア・スポルトの生産ラインがあったらしい)。そこには最近のザガートの作品たちが並んでいました。端から順に説明を受けながら至福の時間を(もちろん社外秘なので画像は無し。でも個人的にならと撮影許可をくれました)。
一通りフロアに展示された作品の説明が終わると、「2つサプライズがあるよ」と。まだサプライズがあるのですか?
1つ目のサプライズは、セキュリティーの掛かった扉の奥にありました。それは世界で3台のフェラーリの最後の1台。間も無くアメリカのオーナーの手元に渡るというフェラーリは内装類の最後の仕上げ段階でした。まさか作業現場を見せてもらえるとは....(さすがにこれだけは一切撮影不可)
もう1つのサプライズは、その隣の部屋にあったベントレー。クラシカルなツートンカラー(緑/銀)は繋ぎ目が一切感じられない塗装(触っていいよと言われ、触ってきました)。聞けば、塗装だけで4ヶ月掛かったそうで。もちろんボディーワークはその数倍掛かっているそうです。こちらはスイスの常連客のオーダーとのこと。もうホントにため息しか出ません。
これでお終いかと思っていたら、「少しココで待っていて」と。今度は何だろう...
暫くすると、上司のマーケティング部長さんを連れて戻ってきました。部長のタラント博士から開口一番、「あなたの名前には覚えがあるのです。2004年のスパイタリアに居ましたね」とビックリする発言。確かに、2004年スパ・フランコルシャンで開かれたスパイタリアを訪れたとき、メインフューチャーがザガートで、そのブースで写真が取りたいから関係者にお願いしたことがありました。その際、サインブックに名前を書いて欲しいと言われて書いたような記憶が....
どうやら、顧客リストの片隅に私の名前が残っていたらしい。さらに、何度か送ったメールも効を奏したのか。実はタラント博士自身もフルヴィア・スポルトのオーナーで、その好きが高じてこの職業についているそうで、自慢の愛車が形態の待ち受け画面にしているからと、子供のように笑いながら見せてくれました。そしてちょうど90周年のヒストリーブックが刷り上ったからと土産に持たせてくれました。
結局、ザガートに進入してから出てきたのは1時間半後。大丈夫だったのかなぁ、今日の仕事....
この旅の運を一気に使い切ったような一日になりました。
「お昼、一緒に食べてからミラノに行きなさい」とティジアナが優しく言ってくれたので、甘えることに。ベランダのプランターに植えてあるバジルを摘んで、さっとパスタを作ってくれました。自宅で仕事を営むブニーノ家では、家族揃ってのランチが普通の光景らしい。ミケーレに聞いてみると、8時半から12時半まで仕事して、2時間昼休み。2時半から6時半までが午後の部。8時間労働で、もちろんバカンスは4週間ぐらいだそうだ。生産性の良さは日本人が見習うべき所。やはり、「いかに人生を楽しむか」に重きを置く生活スタイルは良い物だ。
午後から大学があるヴァレリオと別れの挨拶をして見送ると、結構辛くなってきた。「ゆっくりしていきなさい」と有り難い言葉なのですが、このまま居ればどんどん別れが辛くなる。再会を約束して、ハグして出発の準備を。通りからクルマが見えなくなるまで、ティジアナとクラウディオが手を振ってくれていた。何だか脱力感に支配されてきたが、まだ旅は続きます。気を取り直してミラノへとクルマを進めました。
Garminに従っていけばホテルへも間違い無く行けるだろう、ならばダメもとで寄り道をしてみることにしました。それはザガート社。我が家のフルヴィアがザガートデザインのボディーであることから、ミラノにあるカロッツェリアに寄って見たいと思っていたのです。そこで、数ヶ月前からザガートにメールを出して訪問の許可を求めていたのですが、バケーションシーズンと重なったためか、重要顧客でもない一ユーザーからの依頼だったからか、音沙汰無し。ヴァレリオにこの話をしたときも、「ザガートのような会社が一般個人の訪問を受けつるのは難しいよ」と。そう言えば2004年にピニンファリーナに寄ったときも守衛さんに追い返されたし、後に担当者から、「一般個人の訪問は受け付けていません」と詫び状が送られてきたことがあったなぁ。
まぁ、訪問がダメなら、ロゴマークの前で記念撮影でもと軽い気持ちで向かってみました。予めネットで調べた場所は、実は裏口(通用口)であったため、Garminに従ったのに迷ってしまいましたが、何とか「ZAGATO」の看板を発見。通用口から進入に成功したのでした。
受付が見つけられず、裏庭をデジカメを持ってウロウロしていると、オフィスの窓からたまたま外を見たザガートの社員と目が合ってしまった。「ヤバイ」。こうなったら得意の愛想笑い。満面の笑みで手を振ってみる。すると、その社員が建物の裏口から出てきてくれました。
「これは、本当にヤバイかも」
兎に角、不審者でないことを説明しなければと、拙いイタリア語で、名前を名乗って、日本から観光で来ていてと説明をし始めると、妙にニコニコして聞いていてくれるのです。そうだ、ザガートは国際企業だから英語も通じるかもと聞けば、No Problemと。さらに、説明をすると、「ちょっと待っていて。上司に聞いてくるから」と戻っていってしまいました。
「取りあえず、警察に通報されることはなさそうだ」
暫くすると戻ってきた彼(名前を忘れてしまった)曰く、「今日は仕事が忙しいから余り時間が取れないけど、30分ぐらいなら案内するから、中へ入りましょう」と。Eと顔を見合わせて、「ホントに?」を連発してしまった。
完全に裏口から入ったので、オフィスの廊下を通って通されたのはバスケットコート2面分ぐらいの広大な空間(かつて正にこの場所にフルヴィア・スポルトの生産ラインがあったらしい)。そこには最近のザガートの作品たちが並んでいました。端から順に説明を受けながら至福の時間を(もちろん社外秘なので画像は無し。でも個人的にならと撮影許可をくれました)。
一通りフロアに展示された作品の説明が終わると、「2つサプライズがあるよ」と。まだサプライズがあるのですか?
1つ目のサプライズは、セキュリティーの掛かった扉の奥にありました。それは世界で3台のフェラーリの最後の1台。間も無くアメリカのオーナーの手元に渡るというフェラーリは内装類の最後の仕上げ段階でした。まさか作業現場を見せてもらえるとは....(さすがにこれだけは一切撮影不可)
もう1つのサプライズは、その隣の部屋にあったベントレー。クラシカルなツートンカラー(緑/銀)は繋ぎ目が一切感じられない塗装(触っていいよと言われ、触ってきました)。聞けば、塗装だけで4ヶ月掛かったそうで。もちろんボディーワークはその数倍掛かっているそうです。こちらはスイスの常連客のオーダーとのこと。もうホントにため息しか出ません。
これでお終いかと思っていたら、「少しココで待っていて」と。今度は何だろう...
暫くすると、上司のマーケティング部長さんを連れて戻ってきました。部長のタラント博士から開口一番、「あなたの名前には覚えがあるのです。2004年のスパイタリアに居ましたね」とビックリする発言。確かに、2004年スパ・フランコルシャンで開かれたスパイタリアを訪れたとき、メインフューチャーがザガートで、そのブースで写真が取りたいから関係者にお願いしたことがありました。その際、サインブックに名前を書いて欲しいと言われて書いたような記憶が....
どうやら、顧客リストの片隅に私の名前が残っていたらしい。さらに、何度か送ったメールも効を奏したのか。実はタラント博士自身もフルヴィア・スポルトのオーナーで、その好きが高じてこの職業についているそうで、自慢の愛車が形態の待ち受け画面にしているからと、子供のように笑いながら見せてくれました。そしてちょうど90周年のヒストリーブックが刷り上ったからと土産に持たせてくれました。
結局、ザガートに進入してから出てきたのは1時間半後。大丈夫だったのかなぁ、今日の仕事....
この旅の運を一気に使い切ったような一日になりました。
コメント
しかも名前を覚えてもらっていたなんて!!!!
これも全ては純粋な気持ちからでた行動だからでしょうね。
何時か中で撮った写真見せてくださいね
幾つものラッキーが重なって、特に良い人達に恵まれました。今回の旅は。